バカじゃないのぉ~?と思わせておいて、本当はすごい人。
でも、ちっともエラそうなところがない。
そんなところが嫌いじゃないんです。
素直に好きというのは、ちょっと恥ずかしさを感じさせます。
その人の名は、みうらじゅんです。
「マイブーム」や「ゆるキャラ」という呼び名を生み出した人です。
ラジオやテレビで話しているところを聞くことはあっても、
マトモに耳を傾けたことはなかったのですが、
この本を読んで、そのすごさを改めて感じました。
『「ない仕事」の作り方 (文春文庫)』という本です。
アイディアのひらめき方や印象に残るネーミングの方法など
その仕事術の極意を丁寧に解説してくれています。
この人の発想を聞いていると、自分が平凡であることを思い知らされます。
ちょっとだけ安心したのは、みうらさんも不安を抱えているというところ。
「当の私は、いつまで経っても不安です。不安というのは若い頃の特権と思われがちですが、どっこい今でも不安です。思い返せば、不安でなかった日など一日もありません。」
こんなことを語った後で、こんなふうに言うから素敵です。
「あまりにも不安なときは『不安タスティック!』と明るく叫んで、不安を感じないように自分洗脳をするほど、私はつねに不安なのです。」
どこまでも人間臭くて素敵です。
なんか役に立ちそうでいて、こりゃ無理だわと思ったり、微妙な本です。
ところどころ、プッと吹き出したりニヤッて笑わされたり、
こりかたまった頭をもみほぐすにはとってもいい本ですね。