『任侠シネマ 』を読みました。
本作は人気の任侠シリーズの第5弾だそうです。
任侠と言えば「その筋」ですか?
もともとは、悪い意味ではなくて、
反権力で、暴政に対して庶民を守るって意味もあったようですね。
それを地で行くようなのが、この本のお話しです。
読んでいて、組のメンバーに好感を持ってしまいます(-_-;)
メンバーの一人一人が愛すべき存在に見えてしまう。
反対に、暴力団排除条例を盾に寿司屋の出前も許さない警察官には
人間味がこれっぽっちも感じられない。
しかもテーマが映画なだけに、
組長が語る映画論には心動かされてしまいます。
「映画はな、いろいろなことを教えてくれるし、人生を豊かにしてくれるんだ」(P.45)
その通りですよね、さらにこんなことも。
「つまりさ、時間を見つけて人が集まる場所に足を運ぶ。それが、他人を知ることであり、社会を知ることの第一歩だと思うわけだ。そして、それが、ひいては日本の民主主義につながるんだと思う」(P.238)
ごもっともっ! よっ、阿岐本組長!
ってな感じになっちゃうわけです。
「何のためのお仕事か、(途中略)人が何かやりたいことがあって会社をつくるのでしょう。利益を上げることは部下に考えさせればいいんです。社長の仕事にはもっと大切なことがある。何をやりたくて会社の経営をなさっているのか。それをお考えになることが、重要なんじゃねえですか?」(P.299)
働くってことはどういうことか?
ヤクザさんに教えられちゃいましたね。
何だか、そっち側にグッと寄っていっちゃいそうなのですが、いいのですかね。
この本は、世の中のことが何もわからない子どもさまには読ませたくないですね。
子どもにはあまりにも危険すぎます。