『みらいめがね2 苦手科目は「人生」です』というエッセイ本を読みました。
暮らしの手帖の連載をまとめた第2弾です。
荻上チキさんがエッセイを書いて、ヨシタケシンスケさんがイラストを描いたもの。
エッセイ本でこれほどインパクトがあるものは、そうあるものではないと思います。
荻上チキさんはラジオでお話ししているのをよく聞きます。
理知的で落ち着いた人だなぁという印象を持っていましたが、
エッセイを読んで、より親近感を抱きました。
繊細さが半端ないって感じで、これじゃ生きにくさも相当なものでしょう。
ご自身の病気のことなど、かなり繊細なプライベートなことも、
社会の見方・感じ方なども鋭く語ってくれて、気づきをたくさんもらえました。
「長い時間をかけて身につけてきた、「感情を見せたら負け」という自己規制は、自分の感情表現そのものを静かに凍結させてきた。ただ表に出さないだけでなく、感覚を受容する作業をも阻んでいたのである。」
このあたり、鋭い! 心理の専門家の話を聞いているようです。
「チキさん、大変なところを歩いてきたんですね」って思わず声が出ちゃいそうです。
苦手科目は「人生」です-というサブタイトルにも頷けます。
「会話の作法」なんかもとても印象的で、
チキさんの「話さなくなったテーマ」「聞かなくなったテーマ」に、共感100%です。
「初体験はいつ?」「経験人数は?」から「親は何をしている人?」「一番のトラウマって何?」など、
こういう話題は、たとえ盛り上がるとわかっていても、人に聞かないですよねぇ。
他にも、言葉に対する感覚も共感しきりです。
一部の人からは、「面倒くさい人」みたいに見られるのでしょうね。お察しします。
チキさんのエッセイだけでは、ときどきしんどくなる場面がありますが、
もれなくヨシタケシンスケさんのイラストがついているのが救いです。
このマッチングは最高にして最強で、相乗効果バツグンです。
お二人に「ありがとう」って大きな声で言いたいです!