「目からウロコ」も「豚に真珠」も聖書からの言葉だったのですね。
他にも、「求めよ、さらば与えられん」や「人の生くるはパンのみによるにあらず」も、
聖書由来の言葉だったってご存知でしたか。
「迷えるこひつじ」なんてフレーズも聖書からですよね。
キリスト教っていうと、外国の宗教のような感じで受け止めてしまいますが、
私たちの生活の中に深く根付いているってことがわかります。
『 声に出して読みたい新約聖書〈文語訳〉』という本を読みました。
齋藤孝さんの「声に出して読みたい・・・」シリーズの一冊です。
「聖書には(途中略)警句やことわざのたぐいがたくさん登場します。それらの言葉を抜き出して自分に引き寄せて読むのもいいのですが、私はいわゆる座右の銘的な言葉だけを取り上げるということをあまりしません。」と斎藤さんは言います。
じゃぁ、どうしているのかというと、
「その人物を自分の中に住まわせることによって、その人の言葉が『生きた言葉』として自分の中で響くことを大切にしています。」と。
そしてさらに、「イエスの生涯やイエスの考え方や精神性をその言葉を通して心の中に入れることで、イエスの存在が深く刻まれる。」と書いています。
知っているだけでなくて、自分の中にイエスを住まわせるってことでしょうか。
この本を読んでみて、改めての発見がいっぱいありました。
聖書の中には日本人のワタシでもどこかで聞いてことのあるフレーズがたくさんあります。
そして、本書にはその背景が詳しく書かれていてとても興味深いものがありました。
齋藤孝さんがまるでキリスト教の教会の牧師か司祭さんのように思えてきました。
思えば、説教とは「教を説く」ことですからね。
この本は正に説教と言えるのではないでしょうか。(氏自身はクリスチャンではないとおっしゃっていますが)
この本では、聖書の一節を文語訳で示し、同じ個所を口語訳で言い換え、その後に斎藤氏のオリジナルの解説が続きます。
読んでいるうちに聖書の世界に誘われます。
宗教としてではなくとも、教養としても文化としても読む価値が大ありでした。