誰かとしゃべるってしんどい
人と話すってしんどい
たいていの場合、ことばの方が過剰か過少
あんなこと言わなかったらよかった
もっと別の言いかたをすべきだった
言ったあとで後悔ばかりしている
いくらことばを重ねても言い足りない
しゃべっているうちにだんだん作り話っぽくなっていく
これみんな、鷲田清一さんの言葉です。
著書「だんまり、つぶやき、語らい」を読みました。
ことばのプロみたいな鷲田清一さんも、そんなふうに思うことがあるんだとホッとしました。
「しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラク」、これも鷲田さんの言葉。
でも、日常生活ではそんなことも言っていられません。
黙っていればコミュ障に見られないかと気になり、しゃべったらしゃべったで自分がくだらない奴と思われやしないかと心配になって、
会話を楽しめるどころじゃないと思うことも。
この本は、高校生に向けられた講演の記録です。
不登校経験者ばかり集めた「名前のない学校」でのいろんな作戦が興味深いです。
「家族インタビュー」や「他己紹介」のエピソードは、なるほど~って感心です。
また、絶対に読まない新聞の記事を持ち寄って、なぜ読まないのかを説明する。
こんなところから、ことばが生まれる。これはおもしろそう。
言葉やしゃべること・黙ることなどなど、考えさせられる一冊でした。