読み始めてすぐに思いました――
子ども達だけで世界をつくったら、どんなに素晴らしい世界になるだろうか、と。
この本『声をあげて、世界を変えよう! よりよい未来のためのアンダー30の言葉』は、世界中の30歳以下の若者のスピーチを集めたアンソロジーです。
ここに収録されている声に、すべての大人が耳を傾けるべきだと思います。
若者のまっすぐな主張は胸に刺さります。
きっと曇りのない目で見ているからでしょう。
しかし、大人の中には若者の主張を非難する者がいます。
スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんも、時のアメリカ大統領から心無い非難を浴びせられていました。
なぜ、これら若者の主張に(一部の)大人はむきになって突っかかっていくのでしょう。
自分たちのやっていることを否定されるのが怖いのでしょうか?
この本の著者アドーラ・スヴィタクさんの「はじめに」を読んで合点がいきました。
「衝撃的で世間知らず、正直すぎるほどまっすぐ。こうした特徴は『子どもっぽい』と言われたりもするけれど、大人になるとこの世界のあり方に対して鈍感になってしまいやすい。イタリアの政治哲学者アントニオ・グラムシは、『常識』という言葉を使って社会に共通する世界観、価値観、考え方を説明し、それは社会のトップにいる人々に最も利益をもたらすことが多いと指摘した。」
なるほど、です。
そんな常識にはとらわれない、若者に期待するしかありません。
「そういうものだから」と言われても、簡単に納得しない若者がいるから、この社会はまだもっている。
若者から学ぶことがたくさんあります。
こういう若者の声に耳を傾けて、一緒に考えて行動していきたい。
それができないなら、一歩下がって邪魔しないで見ているしかないと思いました。