岸見一郎さんの大ファンです。
岸見さんといえば、『嫌われる勇気』が大ベストセラーになりました。
だから、この本『怒る勇気 』も二番煎じや二匹目のドジョウじゃないの?
こんなふうに思ってしまったワタシが浅はかでした。
手に取って読んでよかったです。
『嫌われる勇気』以上に力を与えられた感じです。
「怒りの感情は問題解決の手段としては有用ではないことを指摘してきた。怒るのではなく言葉を使って対話をすれば怒りの感情を使う必要はなくなる」(あとがきより)
岸見さんの言葉です。
では、なぜ『怒る勇気 』なのか?
「何も語らない、行動しないのではなく、世界を変えていくための勇気をどうしたらもてるか」
こういうことが書いてあります。
三木清氏の言うところの「公憤」です。
「怒ると、人と人との間に心理的な距離ができる。」
「真の怒りは、感情というよりも、むしろ知性に属するのである。」
「他者は誰も信じられない。そう思った人は孤独になる勇気を持てない。それでも、この段階を経て、自分を支持する人がいるかもしれないと思った時、他者と結びつくのである。」
「声を上げなければならないのにそうすることができない人に代わって声を上げる。そのことが自分を救うことになる。社会の理不尽、職場の不正に自らが声を上げる。自分自身でそれができない人に代わって声を上げる。そうすることは一時的に共同体に「剣」を投じることになっても、真の結びつきを作り出す。」
そして、そして、そのためにこそ対話が大事だと岸見さんが教えてくれるのです。
最後に、この言葉が突き刺さりました。
「アドラーが『私はいつもこの世界を変えるために何ができるかを考えている』といったことは先にも見た。理不尽な現実を前にした時に自分にできることは何もないと絶望するのではなく、何かできることを見出していかなければならない。一人の力だけではどうなるわけでもないのかもしれない。しかし、理不尽である世界を変えなければならないと考えた人が集まれば、この世界は必ず変わり始める。」
勉強することは力を得ることだよ!
世の中学生・高校生あたりの若者に教えてあげたいです。(老婆心ながら・・・)