自宅の書棚にずっとある本を手にとりました。
『23分間の奇跡 (集英社文庫)』です。
今よりずっと若い頃に購入した本です。
その当時にかなりの衝撃を受けて、処分もできないでそのままにしていた本です。
改めて読んでみて、どういうふうに解釈してよいのかわかりません。
初めて読んだときに、どんなふうに感じたのか覚えていないし、記録もないので残念です。
著者がアメリカ人なので、登場する子どもたちはアメリカの子どもたちと考えるのが自然なのでしょう。
物語はフィクションなのでしょうが、戦争前後のある教室の風景です。
タイトルからして、好ましい結末の感動物語だと思っていたのですが、今回読み返してかなりモヤモヤです。
それまで受け持っていたワ-デン先生が学校を追われて、教室に新しい先生がやってきます。
ワ-デン先生と新しい先生はどちらが「よい者」なのだろうか、わからない。
ワ-デン先生は、子どもたちの名前も間違えるし、国旗に忠誠を誓う意味も教えてくれないし、歌をうたってくれたこともない。
一方で新しい先生は、「いみもわからないのに、むずかしいことばをつかったりするのは、よくないわ」と言い、
「こんどからは、なにをきいてもいいわよ。そのほうがただしいでしょ。だから、きょうからは、せんせいになんでもきいて」と、子どもたちに語りかけます。
新しい先生の方がまともに見える・・・が、結末を読むと、この解釈で良いのかわからなくなってしまいました。
ネットのレビューを読んでみましたが、モヤモヤが募るばかりです。
巻末にある「作者の後記」が参考になりますが・・・
宿題をもらった感じです。
これを題材に話し合うのは有意義でおもしろそうです。