子どもには多様な大人のモデルが必要なのに、
子どもが出会う大人と言ったら、親と学校の先生くらい。
これじゃ、ロールモデルとしては少なすぎるってことを以前に書きました。
『つながり続ける こども食堂 (単行本)』を読んで改めて思いました。
小さいうちからよその大人にいっぱい出会って慣れていくことが子どもにとって大事なことです。
本を記した湯浅誠さん自身が体験を語っています。
お兄さんが身体障碍者だったので、お家にボランティアの人が出入りしていたそうです。
その中のお二人、有賀さんと高野さんとのエピソードも書き記しています。
「有賀さんや高野さんとの関わりは、幼い私に、世の中には親と学校の先生以外にもいろんな大人たちがいて、その人たちとつきあうことはなんとなく楽しいことなのだという感覚を植えつけた。」
これが湯浅さん自身のその後の人生に確実に影響しているようです。
ワタシにしても、幼いころに多様な大人とのかかわりがあったのを思い出しました。
となりの一軒家が社宅のようになっていて若者が共同生活をしていました。
幼いワタシはしょっちゅう出かけていっては、若者たちにかまってもらっていました。
心の中にほんわかした記憶として残っています。
「サザエさん」という人気アニメがありますね。本の中でも触れていますが、
「30分間、ずーっとサザエさんとタラちゃん2人だけのシーンが続いていたら、私たちはきっと心配になってくるだろうと思う。サザエさんしか知らなかったら、タラちゃんはどんな大人になるのだろう?」
これはたいへんですよ、現代はそこらじゅうがタラちゃんだらけです。
今どきの子育てが難しいのは、こういう環境にもその原因があると思うのです。
子どもの健全な成長のためには、意識してよその大人との関わる機会をつくっていく必要がありそうです。
それは同時に、親であるお母さんお父さんにとっても良い影響をもたらすでしょう。
雑多な人が集う場所をつくりたいです。そこに自分も一緒にいられたらきっと楽しいだろうな。