以前に金儲けのセミナーに参加したことがあります。
「月ウン十万円を稼ぐ」とかなんとかのうたい文句で宣伝してるヤツです。
この手の世界は稼いだ人が勝ちですから、そのノウハウを知りたくて多くの人が集まります。
言ってみれば、強者に人々は群がるってことですね。
この世界に限らず、私たちの社会って強い者が肯定され賞賛される社会ですよね。
権力をもつ者の周りには人が集まるし、人気者には取り巻きができる。
弱者はかえりみられることがなく、いない者のように扱われる。
良くても、憐みの対象としか見られません。
でもね、こんな社会は居心地が良いものではないと思うのです。
いわゆる「弱肉強食」の社会はワタシにとって落ち着かない、安心できない社会なのです。
そんなふうに思っていたら、最近になって、読む本聞く話で「弱者」という言葉に出くわすことが多くなったような気がしています。
上野千鶴子さんの話もその一つです。
彼女が研究するフェミニズムは、弱者が弱者のままで尊重される思想だと説明しています。
心の奥底でずっと、「強くならなければ」と思っていた自分がいることに気付きます。
強くなくたっていいんじゃないの?
今はそう思おうとしています、意志の力で。
だって、強さで結びついた関係なんて脆いものですから。
金があるうち、権力があるうちは周囲に人が寄ってきますが、
金や権力を失ったら、潮が引くように人がいなくなるっていうじゃないですか。
弱者は安心ですよ、失うものがないから。
だから、周りの人たちに呼びかけているんです、「弱い者同士でつながろう!」って。
失うものがないから楽ですよ、きっと。
それに、楽しいんじゃないかな?