「子どもを産みたくないと思う自分はどこかおかしいのだろうか?」
「子どもを産まないと、歳をとってから後悔して不幸な人生を送るのか?」
「何かが欠乏した人生なのか?」
「私は親不孝者なのか?」
こんな疑問や不安を持ったことはありますか?
この国で、『子なし女性として生きる!』と決めることはかなりしんどいことだと思った。
この国では、「結婚が出産と同意語とみなされ、子どものいない結婚生活は不完全なものと認識され、子どもを望んでいないというと血も涙もない自分勝手な女扱いされる」から。
この国とは、どこのことだと思いますか?
『ママにはならないことにしました』という本を読みました。
この国とは、韓国のことです。
この本には、冒頭のような不安や疑問を持った著者が、同じ悩みを抱える女性たちの話に耳を傾けます。
韓国では、「子どもを持つのが当たり前」というプレッシャーがあるようです。
だから「子どもを持たない人生を選ぶ」なんてことは難しい。
選んだとしても大きな声では言えない雰囲気があるようです。
子どもを持たない人生が社会に受け入れられていない。
しかも、世界中で少子化が叫ばれ、対策が求められている最中です。
韓国の出生率は世界の他の国と比べて際立って低い。
韓国ほどではないが日本も低い。
少子化対策は急務だが、日本も韓国も政府の少子化対策は子育て世帯の所得支援に偏りがち。
少子化の原因はいろいろあるだろうが、
「結婚して子どもをもうけるというのが人生だ」というようなステレオタイプの時代は終わったと思います。
韓国は「OECD諸国の中で唯一出生率が1人以下の国になってしまった」
日本も他人ごとではないです。
「深刻なミソジニー社会で出産はもちろん、恋愛や結婚そのものを拒否する4非(非恋愛、非セックス、非婚、非出産)世代まで登場している以上、出生率はさらに急速に下がっていくのではないだろうか?女性が人間として尊重されず、弱者が平等な権利を享受できない社会なら、私たちが想像する以上に、もっと早く消滅するかもしれない。」
著者の最後の言葉が重くのしかかってきた。