「私は10代の時、自分に未来などないと思っていました。
自分が世界にとっての異物、汚物だと思い、早く消えてしまいたかった。
そんな私が、様々な出会いと縁に恵まれ、この世から消えることなく今も生きている。
むしろ、自分でも不思議なくらい、楽しく生きている。」
岡嶋かな多さんをご存知ですか。
作詞作曲家で通算500曲以上の作品の制作に加わり、
オリコンチャート1位獲得は120回以上、
日本レコード大賞優秀作品賞も受賞している。
彼女を知っている人なら、こんな時代もあったのかと心に響くかもしれません。
『夢の叶え方はひとつじゃない 私は、中卒作詞作曲家』を読みました。
今の岡嶋さんがあの頃の自分に言ってあげたいこと、それは
「大丈夫だよ」
「未来のあなたは、とても信じられないくらい、みんなに愛されている。想像している100倍、幸せな人生を送っているよ」
だから、あなたも大丈夫だよ・・・
この本のメッセージ、
これから夢に向かって走っていける若者にはいいかもしれません。
励ましのエールになるかもしれません。
しかし、人生の折り返し地点をとっくに通過してしまったワタシにはモヤモヤが・・・。
結局、こんなこと言えるのもあなたが成功者だからですものね。
自他ともに認める成功者。
本の出版のオファーが来るくらいに。
読んでいて「すごいなぁ」と思うことばかり。
共感できたのは、献血のエピソードだけ。
ワタシも駅前に停まっていた献血車に吸い込まれたことがあります。
岡嶋さんと全く同じ理由から。
「こんな何も価値のない人間が世界のためになることは献血くらいしかない」と。
こんなふうに思うワタシは、かなりのひねくれ者か悲観主義者か。
もしかしたら若くても、彼女のメッセージを素直に受け止められない状況の人もいるかも。
世の中には、世間的には成功者とはいえない人ばっかり。
何だったら失敗者ばっかりと言ってもいいかも。
失敗者の話ばっかり集めた本があってもいいのにね。
そんな本があったら、最後に自分自身に言ってやりたいことは決まってます。
「これでいいのだ」