「もう時給さえ上げれば人が集まる状況じゃない」らしい。
朝日新聞で「8がけ社会」という連載が始まりました。
2040年には働き手の人口が今の8割になるらしい。
そうしたら、働き手が足りなくなる。
実際、「時給一千円で介護スタッフを募集していた広告の並びで大型スーパーが時給1300円でレジ打ちの求人を出していた」と、ある特別養護老人ホームの施設長が話しています。
「時給300円も違えば、介護業界を選んでもらえるはずがない」
たしかに、これは深刻です。
どんな社会になっちゃうのでしょう? ヤバいです。
「個人的なことは政治的なこと」という言い方があります。
「個人の困難だと思って抱えている問題のほとんどは、社会関係の中で生まれる問題」
上野千鶴子さんはこんなふうに説明しています。
自分の生きづらさは個人的なものにとどまらない、ということだと思います。
『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』
この長ったらしいタイトルの本はそんなことを考えさせてくれました。
今回、同じ著者がまたまた長ったらしいタイトルの本を出したということで読んでみました。
タイトルは、『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』
著者は和田靜香さんです。
こっちは「地方自治は民主主義の最良の学校」という表現を思い出させてくれます。
「『高いんじゃないか?』と疑問を抱くウインナーも玉子も牛乳も、自分が口に入れる食べるものですから、誰がどこでどのように作っているか知ることがだいじ。私たちがそれをどう選び、食べるかを考えることって、それ自体が政治的なことなんだと思います。」
本の中に出てきた生活クラブの活動をする近所の女性の言葉です。
この本には、著者の和田さんが神奈川県大磯町議会に通い詰めて見たことや感じたことが書かれています。
大磯町議会はパリテ(男女同数議会)を20年続けてきた議会です。
「歳をとっていく私が未来に向かって安心して暮らせる社会は、どういうもの?どうしたら作れるんだろう?」
著者がこんな疑問を持ちながら、答えを見つけるべく突撃取材していく様が書かれています。
その中で、いろんな人と繋がっていくのがおもしろいです。
こういうのが、本当の学びなんだろうなと感じました。
国民が、政治は自分とは関係ないものとか、遠い存在だと感じるとしたら、
これって不幸なことだなぁ。