最近、手にとる本に韓国のものが多くなりました。
意識しているわけではないのですが、「面白そう」と思って手にとると韓国モノだったり。
エッセイしかり、小説然り、なのです。
なんでだろうかなぁ?・・・と、ずっと頭の隅にあったのですが、
たぶん、これなんだろうなって最近、確信するようになりました。
時代、時代が意識されるのではないかと、思うのです。
いつ生まれたかによって、かなり人生が変わってくる感じなんです。
まっ、どこに生まれたって時代の影響は受けるものですから、当たり前のことですが。
それにしても、他の国と比べてその影響が大きいような気がします。
そう言えば、ついこの間まで軍事政権だった、というような感じですものね。
ここのところの動きは激しいものがあります。
日本でも、バブル世代だ、就職氷河期だ、ゆとり世代だとは言われますが、
韓国のは、これに輪をかけて激しいような。
今読んでいる『三十の反撃』にも、こんなセリフが出てきます。
「94年のこと覚えてますか? 幼稚園に通ってたけど、あまりにも暑くて夏休みがすごく長くなりました。」
「でも、小学3年生の時IMFが爆発したのは覚えてます。留学していた叔父が帰ってきて、金を集める運動をすると言って」
「それから、中学に上がる前の年が世紀末だったでしょう。」
1988年生まれの登場人物が自分たちの記憶をこんなふうに思い起こしていると、
「それくらいのことで波乱万丈だなんて。日本の植民地時代に幼年期を過ごして、青春時代には同じ民族同士の戦争に巻き込まれて分断を経験し、中年になって漢江(ハンガン)の奇跡を成し遂げ、今日に至ったお年寄りだってまだ現役なのに。」
・・・・と、こんな具合です。
これに加えて、韓国では儒教思想が根強く、目上の人への尊敬や配慮が強く求められているようです。
お酒を呑むときは、目上の人に失礼にならないように横を向いて杯を空けていたりしますね。
こういう世代間の葛藤も影響しているのでしょう。
しかも、不幸なことにいまだに北朝鮮との間は休戦状態ですから、こういうことが影を落とさずにはいないでしょう。
民主化運動などもたびたび起こって、犠牲者も出ていますから、
生きていくのが大変なのは想像に難くないです。
だからこそなのかもしれません、韓国の小説やドラマがおもしろくて惹かれます。