『いつか君に出会ってほしい本』を読みました。
共同通信社文芸記者による連載記事をまとめたものです。
11年に渡る、500回を超える人気連載だそうです。
その中から、何度でも読み返したい158冊が本書に掲載されています。
「中学生用の読書案内」というコンセプトのようなのですが、
大人が読んでも満足できると思います。
すでに読んだ本は、紹介文を見ながらアレコレ思い出したり、
まだ読んだことのない本は、「読んでみたい!」と刺激されます。
著者の本にまつわるエピソードも載っていて、
ワタシ自身の、本との出会いもアレコレ思い出したりしました。
「おわりに」に、本書の担当編集者のエピソードが載っています。
高校の国語の授業で一年かけて『ノルウェイの森 』を読んだというのです。
彼は、「高校のときの読書が編集者としての私をつくった」と。
そういえば、ワタシにだってこうなるにはそれなりの出会いがあったからなのかも。
思い起こせば、小学校の高学年で、『ああ無情 』を読んで衝撃を受けたな。
のちに、『レ・ミゼラブル』を知って、こんな大作だったのかと感動。
中学生の時は、松尾芭蕉の『奥の細道』に取り憑かれたようになって夢中で暗唱した。
高校生では、国語の教科書にあった『飛び込み台』という教材に惹かれ、
本屋で元本を探したら、井上靖の『夏草冬濤 』の冒頭だと知った。
その後、井上作品を読み漁ったのは言わずもがな。
このあたりから、本の世界に引きずリ込まれてしまったような気がする。
それは、悪いことじゃなかったな、と思う。
「本を読むことの面白さを知ったなら、あなたの人生、しめたものだ」
この本の帯にあるキャッチフレーズです。
ほんとうに、そう思う。