今の子どもたちは「火起こし」って知っているのでしょうか?
「火を起こす」という言葉すら聞いたことがないかもしれません。
家庭でもIH調理器具が普及して、火を見る機会が少なくなりました。
考えてみると、これは怖ろしいことです。
火を制御できることが人間としての重要な気がするからです。
原始時代のきりもみ式火起こしまでさかのぼらなくても、
マッチくらいは扱いを知っていてほしいと思うのですが。
(そういえば、マッチも簡単には手に入らなくなりました)
キャンプやバーベキューには、火起こしが欠かせません。
上手に火をおこすためには、経験がものを言います。
こうやって、身体を使った経験を通してものがわかるってことが大事なんだ!
養老孟司さんの著書『ものがわかるということ』を読んで、改めて思いました。
体験して「わかる」ことと、頭の中で「わかる」ことがあると著者は言います。
「たとえば生まれてしばらく経つと、赤ちゃんはハイハイを始めます。少し動くと、目の前にあるものが大きくなります。(略)自分と対象の距離が遠ければ、モノは小さく見えます。近ければ大きく見えるわけです。」(著書から引用)
これが算数で習う比例だということです。(なるほど)
学校で教わる前に、すでに経験を通して脳の中に規則ができているということです。
だから、子どものときにいろんな経験をさせるって大事なんですね。
体験してわかったことがたくさん積もって頭の中に規則ができて、
それが、後々になって学校の勉強の中で規則として認識されるってことです。
早くから、算数ドリルを使ってお勉強をさせればいいってわけじゃないんですね。