若者に、生きづらさを感じている人が多いようです。
不登校の生徒が多いのもこういうことに関係しているのかもしれません。
先日、ある若者が心療内科にかかったところ、
「若者特有の悩みですね」と、お医者さんに言われてガッカリしていました。
苦しみをわかってもらえず、救われない思いをしたようです。
『我慢して生きるほど人生は長くない』を読んでいろいろと考えさせられました。
現代は「生きづらさ」を感じるのは当たり前のことなんだと感じました。
社会が豊かになると、生きる意味を見つけるのが難しくなるそうです。
たしかにそうですね。原始時代なんて心の病なんて、なかったのでしょうね。
周りは自分たちを狙う野生の動物たちがウジャウジャで、生きるか死ぬかの世界です。
そういうところですから、生きる意味なんて考えてる暇がない。
そこまで歴史をさかのぼらなくても、日本が戦争中もそれどころではなかったでしょう。
本にある通り、今は生きる意味が見つけにくいのかも。
社会が豊かになるっていうことは、
「国家」とか「社会」とかいう大きな存在を自分の生き方に重ねるのが難しくなります。
戦後や高度経済成長の時代なんかを考えるとわかりやすいですよね。
国家が豊かになれば自分の生活も豊かになると信じられたし、
そうすれば、余計なことは考えなくて済んでいた。
今は違いますよね。
「生きるモチベーションを自分で見つけるしかない」のが現代なんだそうです。
そこで必要になるのが、「自分の物語化」なのだと著者は言います。
著者の説明によると、「自分の物語化とは、これまでの人生で連綿と起こってきた出来事に対して、自分なりの解釈をつけていくことです。」
「自分の生き方に物語性を見出せれば、当面の生きる意味を得ることができ、生きやすくもなります。」
自分の物語りを作って、それに納得して生きていく。
これができたら、少なくとも不幸な状態には陥らないですみます。
この本には、自分の物語りを作るためにはどうしたらよいのかが書かれています。
物語をつくる上で、何が障害になっているのかも書いてあって、
生きづらさの原因はこれだったのか、と納得できるところがたくさんありました。
苦しみの真っただ中にいて、どうしていいかわからない若者に知らせてあげたい。