悪い映画は見ればわかります。
そして、どこが悪いのかその理由もわかる。
台詞がわざとらしくてつまらない。
カットが下手過ぎて違和感しか残らない。
構成がメチャクチャ・・・などなど。
ところがです、良い映画は同じく見ればわかるのですが、
どこが良いのかと問われるとうまく答えられません。
良い映画とは、あまりにも自然過ぎて作りモノに感じられないのです。
あたかも、自分がリアルにその中にいるような感覚なのでしょう。
だからこそ、どこが良いのかを理詰めで説明してくれる本書はおもしろいです。
紹介された映画を改めて見返したくなります。
そして、この本は最終講がユニークです。
映画を見た後のアウトプット法が書かれています。
映画を見ることの効用や背景の知識や鑑賞する方法を教えてくれる本はありますが、
映画を見た後のアウトプットの仕方を教えてくれる本は初めて見ました。
「自分が見た映画について考えることは、自分を見つめ直す作業にほかならない」
「映画を良く見てそれについて書くことが、よりよく生きることにつながると信じているのです。」
同感です。
ずっと楽しんで、そして最後にためになる本でした。
おもしろい本に出会えたなぁって、偶然の出会いにビックリしてそして感謝です。