『嫌われる勇気』を読んで、すっかり岸見一郎さんのファンになってしまいました。
岸見さんのアドラー哲学は子育て・教育にすごく参考になります。
生きていく指針にもなると思います。
そんなふうに思っていたら、ビジネス編と言える本が出版されました。
それが、『叱らない、ほめない、命じない。 あたらしいリーダー論』です。
とてもわかりやすくて、中身が濃いです。
『嫌われる勇気』に似ているが、二番煎じという感じがしません。
『嫌われる勇気』で語られていたものが、ビジネスの世界でも通用するということが、わかりやすく書かれています。
『嫌われる勇気』と同じように、対話の形で話が進んでいくので平易で読みやすいです。
課長に昇進したばかりの「わたし」が、大学時代にカウンセリングを受けた先生に会いに行くという設定です。
「わたし」は以前、息子がいじめから不登校になったときに、この先生に相談に行っているとのこと。
先生とはもちろん、岸見一郎先生です。
先生は最近、新しいリーダーシップのあり方を説いていて、本も出版しているというフィクションなのか事実なのか、おもしろい設定です。
先生が提唱する「民主的なリーダーシップ」とは、端的に言えば――
◎リーダーと部下とは「対等」である
◎部下を叱ってはいけない
◎部下をほめてはいけない
◎部下に命令してはいけない
サイボウズの社長・青野慶久氏との対談の中で語っている岸見先生の話が印象的です。
「誰かが見張っていないと、人は仕事をしないというのは誤解です。自由な環境に置かれたとき、貢献感が持てると思えば、人は動きます。自分のできる範囲で働きます。それが、言葉の本当の意味においての『自立』です。だから、リーダーは『指示をする』というより、『モデルになる』べきだと思います。」
ビジネス関係本だと思いますが、親子関係も引き合いに出して説明している場面がたくさんあるので、子育て・教育にも十分参考になります。
そればかりか、生きる指針を示してくれるといってもオーバーじゃないかもしれません。