「私が偏差値の高い子に東大医学部をお勧めしないこれだけの理由」というタイトルの記事がpresidentオンラインにありました。
彼が東大医学部をお勧めしない理由は簡単にまとめるとこんな感じです。
①東大医学部には組織的問題がある
②ノーベル賞学者を一人も輩出していない
③世に知られた研究成果や業績にも乏しい
④教授を頂点とする絶対的ヒエラルキーがある(教授が威張りすぎている)
⑤臨床の腕のいい人が教授になることは滅多にない
⑥大した研究もないのに論文の数だけは多い人が教授になっている
⑦「金儲けに走るのは恥」という古い価値観を植え付けられる
⑧新しい臨床研修制度ができたから研修先病院は好きに選べる
いかがですか、だから東大医学部に行かない方がいいってことです。
東大医学部を目指している「偏差値の高い子」がこれを聞いて、志望先を変えると思いますか?
ワタシはその辺が疑問です。
和田さんが挙げた東大医学部をお勧めしない理由はワタシにもだいたいわかってました。
しかし、ワタシが同じようなアドバイスをしても聞き入れる人はいないでしょう。
きっと、「あんたは東大医学部に行ってないでしょ?」と返ってくるでしょう。
そこが問題なんだと思います。
「東大医学部をお勧めできない」と言えるのは、東大医学部に行った人だけなのです。
どんなに、中身が腐っていても「私は東大医学部卒だ」という、その権威が欲しいのではないのでしょうか。
だから、この理由を聞いて「それじゃ、や~めた」と言える人は少ないでしょう。
和田さんがいくら真摯にアドバイスしても、当の本人には届かないのでは?
和田さんの言う「かくあるべし」という思考、そしてそれが思い通りにいかなかったときの「自分はダメな人間だ」というレッテル貼り。
これは、かくも根深いのだと思うのですが、どうでしょう?