「家族の中に支配がある」という新聞記事(5月18日付 朝日新聞)を読みました。
公認心理士・臨床心理士の信田さよ子さんへのインタビュー記事です。
信田さんはDVを受けてきた人たちの声を長年聞き続けてきたカウンセラーです。
「家族はいいもの」だと、ずっと言われてきましたが、
実は、家族の中に暴力装置が潜んでいるということが、だんだん言われるようになってきました。
夫から妻への虐待、妻から夫への虐待、子どもへの、そして年老いた親への虐待。
「家族は力の強弱から成り立っており、愛という『隠れみの』によって強者が弱者を支配していることが不可視になっている」と、信田さんは言います。
そして、「ちゃんとそれを暴力と呼ばなければならない」とも。
こういうのを読んでいると、ワタシが生きてきた間にも、家族の見方が随分変わってきたと感じます。
その陰には、「現場から主張して世間の常識と闘ってきた」信田さんのような人がいたんですね。
社会は自然に変わっていくものではない、と改めて感じる瞬間です。
「家族はいいもの」という側面だけではないんだ、ということが知られるようになっただけでも、救われた人はいると思います。
でもね、まだまだなんでしょうね。
家族の形態もこれからは変わっていくのかもしれませんが、
人間は、家族的なものがどうしても必要なのでしょう。
それならば、どうしたらよいのか?
信田さんの提案には「なるほど」と思わされました。
「家族が暴力装置になるリスクを知り、それを防止することが必要だと思います。車の運転と同じで、ルールを守ることで安全が保たれるのですから。」
「たとえば婚姻届けを出す前に、自動車教習所のように『暴力はふるってはならない』『子どもを比較してはいけない』といった家族を形成する基本的なことがらについて受講を義務付けたらどうでしょう」
これには大賛成です。
実は、ワタシ自身も結婚前にコレを経験しているのです。
ネットで「結婚講座」と検索すると出てきますよ。
さて、どんなところがやっているのでしょう?
こういうの、義務付けられて行政がやったりしたら、けっこう効果あると思います。