新聞にピアニストの反田恭平さんのインタビュー記事が載っていました。(1月4日付 朝日新聞)
ショパン・コンクールで2位に入賞したそうです。素敵な方ですね。
「コンサートチケットが取りにくいアーティスト」と言われるくらい、既に名声があるのにコンクールに挑戦したそうです。
周囲には出場に反対する声もあったのに、どうして?
その答えが、「音楽の学校を自分でつくりたいという夢」なのだそうです。
「コンクールで良い結果を出せれば、僕の存在、ぼくの夢をもっと多くの人に知ってもらえます。それは、自分の計画にとって追い風となるでしょう。」と語っています。
管弦楽団の株式会社の社長兼CEOという肩書も持つ反田さんですが、今までの音楽業界のやり方に囚われないユニークなビジョンを持っているのは、
「音楽一家の出でもなく、子どもの時はピアノだけでなく、サッカーとか色んなことをして育ちました」と、彼が言うことと関係しているのでしょうね。
また、反田さんは「子どもたちがこれ以上音楽を学ばなくなってしまったらどうするの」と、日本のクラシック音楽界に焦燥感を持っているとか。
また、「そんな状況にしてしまった大人への不満」もあるようです。
レベルの差はありますが、ワタシも日本の音楽教育に不満がいっぱいあります。
ワタシは、学校の音楽授業で楽しかった思い出は一つもありません。
小学校のとき木琴を買わされたのですが、悲しい思い出です。
楽しかったのは、初めての楽器がうれしくて、お家で思いつくままデタラメに叩いていて、鳴る音を楽しんでいた、その時まででした。
学校で授業が始まったら、楽しいことは一つもなく苦痛に感じることばかりでした。
それ以来、自分では音楽は苦手で嫌いだと思って大人になりました。
学校の音楽の授業には恨みしかありません。
ずっと後になり、歳を取ってから気づきました、ワタシは音楽が好きなんだと。
ずっと苦手で嫌いだと思っていた音楽ですが、大人になってから「本当はこんなに好きだったんだぁ」と思う経験をいっぱいしました。
ひょんなことから、ジャズにはまり、自らもいくつかの楽器をかじりました。
反田さんが留学したロシアやポーランドでは「日本よりもずっと楽しそうに音楽教育をしている」そうです。
「誰しもが子どもの頃、音を鳴らして喜んでいた、あの感覚を絶対に忘れてはいけない。それを次世代に伝えていくのが、音楽を継承するということだと思うんです」
反田さんの言葉です。なんだかワクワクしてきました。やっぱり音楽っていいですよね。