日本の子どもの幸福度は38ヵ国中20位です。
これは、ユニセフ(国連児童基金)が2020年に発表した先進国の子ども幸福度ランキングです。
その中の身体的健康では38か国中で1位なのですが、注目すべきは精神的幸福度です。
なんと、38ヵ国中で37位です。
このことは、『生きのびるための「失敗」入門 』(雨宮処凛)にも書いてありました。
「内戦もテロもなく、清潔で治安もよい国で、決して幸福ではない子どもたち」と。
子どもたちは相当に生きにくさを感じているのは確かなようです。
そこでこの本の登場ということになるわけです。
著者の雨宮処凛さんは中学時代にいじめに遭い死ぬほど辛かった。
その時に周りの大人にしてほしかったこと、それが、
「自分もいじめられていた、という大人の話が聞きたかった!」
「当時の私は、普通に生きてるように見える大人たちにもそんな過去があるのであれば、そういう話を聞きたくて聞きたくて仕方なかった。暗黒の過去があっても大人になれること。多かれ少なかれ、どんな大人にも子ども時代の惨めで情けなくて恥ずかしい過去があること。そんな話に、喉から手が出るほど飢えていた。」(本書15pから引用)
わかるな~、これ。
こういう時は、気の利いたアドバイスなんてものが欲しいわけではないんです。
「わたしもダメダメだったけど、何とかここまでやれてきた」
こんな体験談でいいんだと思うんです。
「人は弱さで結ばれている」ってこの本にもありましたが、
これにはワタシも同感です。
この本には、元ひきこもりや弱いロボットの開発者や見通しの甘い探検家が出てきます。
雨宮処凛さんが、「14歳の頃に聞きたくて仕方なかった大人の失敗談」です。
こんなんでも大丈夫なのだと教えてくれます。
14歳くらいの若者に届くといいなと思います。
そして、ワタシは、こどもたちに失敗や弱さを語れる大人でありたいと思います。
「大丈夫、こんなワタシでもこの年齢まで生きてこられたんだから」ってね。