「数学の授業がヤなんだよなぁ」
「なんで?」
「何やってるか、全然わかんないんだもん」
ワタシとこんな会話を交わしたのは高校生です。
だから、ワタシは言いました―
「先生に言ってみれば? 『全然わかんないんです』って」
返ってきた返事は―
「だって小学生の算数からわかんないんだよ、面倒くさいからもういい」
「そうっか~」
次の句は出てきませんでした。
こんな状況は悲しすぎます。
彼は小学校から算数(数学)の授業がわからないままに過ごしてきたのです。
授業まるまる一時間中何年も、何もわからず教室に座り続けてきたのです。
どんな気持ちだったのでしょうか。 そして今はあきらめの境地に。
これから高校生活がまだ2年以上もあるというのに。
卒業までわからないままでずーっと教室に座り続けるなんて。
こんな高校生は彼だけではないでしょう。
こんなふうになってしまったのは彼のせいなのか? 先生が悪いのか?
いったいどうしたらよいのでしょうか。