ずっと昔の話です。まだ10代だった頃、予備校の授業でこんなことがありました。
国語の授業だったと思います。講師の先生が質問しました。
「こういうのを何と言うかわかりますか?」
ワタシは小さな声で「死への旅?」ってつぶやきました。
そうしたら先生が「う~ん、そういうことなんだけどぉ・・・」
すると、前の方に座っていたある人が「死出の旅」と答えました。
先生はすかさず「そうです、死出の旅といいます」
知らなかったわぁ~、そんな言葉。
高校生くらいでそんな言葉を知っているなんて、なんでなんで?
その人を見る目が憧れの眼差しになっちゃってました。
前後のことは全然記憶にないのに、「死出の旅」って言葉だけが頭に残っているのです。
どうしてなのか? 自分でも説明ができないけど、「やられたぁ」って感じ。
その人の持つ世界を想像して、圧倒されノックアウトでした。
本を読むようになったのはその頃から、だったでしょうか。
「死出の旅」なんて言葉を知らなくたって困ることはないと思うけど、
「知っている人になりたい!」と、そのときに強く思ったのかもしれません。
こんなことが、その後の人生に影響を与えるってことがあるんですね。