世界一短い手紙といえば、ヴィクトル・ユゴーのそれが有名ですよね。
本の売れ行きを出版社に尋ねる彼の手紙「?」に対して、担当者の「!」という返事。
見事という他ないですね。
この本『こうやって、考える。』にも、短い手紙が紹介されています。
その短い手紙というのが、
「アナタ」
南極に行っている夫に新妻が正月に送った電報だそうです。
うわー、切なさがハンパないです。
「?」も「!」も「アナタ」も、これだけではただの記号ですが、
シチュエーションが加わると、想像が広がり何よりも雄弁に語ってくれます。
この本『こうやって、考える。 (PHP文庫)』は、外山滋比古氏の箴言集です。
彼のこれまでの著作の中から短く抜粋されたアンソロジーです。
気楽に読めるのが良いところですが、腑に落とすにはかなりの知識と読解力なり想像力が必要ですかね?
「アナタ」の一言からどこまで妄想を広げられるかが勝負です。
それぞれに出典が書いてあるので、気になったら元本を読んでみようと思います。
索引的に使うというのもありかと。
ワタシの場合は、第5章の「思考につながる読書」に惹かれる言葉がたくさんありました。
「あえて読書を中断する」
「散歩するように読む」
「そよ風のごとく読む」
「読んだ冊数を誇らない」
「書籍に思考を奪われない」
タイトルを読んだだけでも、何が書いてあるのか?とウズウズします。
『思考の整理学 (ちくま文庫)』も、もう一度読んでみようかな。