『社会に出るあなたに伝えたい なぜ、いま思考力が必要なのか? (講談社+α新書)』(池上彰=著)を読みました。
今から思い返すと、中学校・高校時代と勉強は暗記することだとずっと思っていたようです。
国語や数学は、ちょっとは考えたかもしれませんが、社会科は完全に暗記科目でした。
この本を読むと、考えることっておもしろいと思えてきます。
いや、考えることこそおもしろい。これこそ勉強といえるものなのでしょう。
日本では長らく「勉強は暗記」という時代が続いていたように思えます。
しかし、ここにきてようやく自分で考える教育に舵を切り始めたようです。
「アクティブ・ラーニング」や「主体的・対話的で深い学び」といわれるのがそれです。
近年の学習指導要領で打ち出された方針です。
特に社会科の科目の変化が大きいように思われます。
本書では、池上さんが紙上模擬授業を展開しています。
たとえば、こんな・・・
イギリスはなぜEUから離脱した?
日本はなぜ高度成長できた?
日本が日中戦争に突入したのはなぜ?
アフリカ諸国の経済格差は何が原因?
なぜ、直線的な国境があるのか?
アフガニスタンが混迷しているのはなぜ?
日本がアメリカに従っているのはなぜ?
在日米軍の犯罪が罰せられないのはなぜ?
中国はなぜ台湾を支配したいの?
アメリカはなぜ台湾を中国から守るの?
自由民主党の派閥って結局何なの?
いかかですか?項目だけ並べただけでもおもしろそうでしょう。
これ、みんなでどうしてなんだろう?ってあれこれ話し合ったらおもしろいですよね。
日本の教育はこういうことをやってこなかったですよね。
だからなのでしょうか、意識調査では
「自分は責任がある社会の一員だと思う」という質問に「はい」と答えた割合が低い!
「自分が大人だと思う」という項目も、「そう思う」という回答が世界に比べ極端に低いです。(P163参照)
教育と無関係ではないですよね。
子どもがどんな学び方をしているか、世のママパパは知っておいた方がいいと思います。
この本は、大人が読んでもおもしろい本だと思います。