「支配しない男になる」とは、決意表明だと思います。
でも、そもそも、なぜわざわざそんな決意表明をしなくちゃいけないのでしょうか?
そんな疑問を感じている男性は少なくないと思います。
その答えは、こうです。
男性は、「私は支配しないぞ!」と自分で意識しないと、無自覚のうちに「支配してしまう」からです。
なぜか? それは私たちの社会が、男が支配する社会だからです。
男に生まれたら、自然と支配する側に組み込まれているからです。
女性などのその他の性は、支配される側にいることになるわけです。
ちょっと歴史を振り返ってみてみればわかります。
普通選挙が実施されるようになっても、当初、選挙権は男にしかありませんでした。
日本国憲法に、男女平等が謳われても、実際の生活では平等になっていません。
国会議員の数は圧倒的に男が多いし、結婚すればほとんどの女性が姓を変えます。
社長の数は男性の方が圧倒的に多いですよね。
賃金を比べても、男女比較では男性の方がだんぜん高いわけです。
そればかりか、家庭でも女性の地位が高いとは言えない状態が続いています。
こういう社会に対して、一部の女性は異議申し立ての声を上げるようになりました。
放っておいたら、いつまで経っても、女は支配される側だからです。
さて、そこで男の姿勢が問われるのだと思います。
女性の異議申し立てについて、嫌悪を示し物言う女性を攻撃し、男性優位を保とうとするのか、
それとも、女性の申し立てを受け、男性が自分自身を見つめ直そうとするのか。
前者は今まで通りですから、それほどのエネルギーは必要ないでしょう。
問題は、後者の立場に立とうとする男性です。
こうなると、自己変革が問われるわけです。
自分が今まで、良しとしてきたことも問い直さなければなりません。
その結果、仲間である他の男性との間に摩擦が生じ軋轢が生まれるでしょう。
それでも、この道を進むとなると、相当な覚悟が必要なのだと思います。
それが、自分も「支配しない男になる」という決意表明なのです。