あなたが男性だったら、自分に問いかけてみてください。
あなたが女性だったら、パートナーもしくは近しい男性に問うてみてください。
「支配しない男」になれますか?
これは、私たちの社会がどうなっていくかを決定するくらい大事な視点だと思います。
沼崎一郎氏の『「支配しない男』 になる』という本を読んでそう思いました。
フェミニズム研究で有名な上野千鶴子さんが、よく言っているのが、こんなことです。
「フェミニズムはべつに、男のようになりたいなんて思想じゃない。べつに強者になりたいと思ったわけじゃない。弱者が弱者のままで尊重されるような社会をつくりたいと思ってきたのがフェミニズム。」
そして、「女性学は、女の感情や経験の言語化をやってきたのよ。まずは学習と経験だから、男性にも、学習してもらいましょうよ。」
男支配の社会に物申す女性に対して、文句を言ったり、
「男だってつらいんだ」とか、「男だって生きづらいのだ」とか言うなら、
自分たちが感じていることをちゃんと表現してみなさいよ!
そう言われて、ちゃんと受けて立つのがこの本だと感じました。
男性も、女性も、ぜひ手にとって読んでほしいと思います。
著者である沼崎さんの個人的体験から語られているので、すごく読みやすい。
そして、その個人的体験というのが、別姓結婚と育児体験とDV被害者支援です。
これらの体験を通して、沼崎さん自身がどう変わってきたのかがよくわかります。
育児体験では、「おむつを外したとたんにウンコが宙を飛ぶ」ような体験をたくさんして、
「言葉以外のコミュニケーション能力も鍛えられたと思う」と言えるようになる。
自分が子どものお弁当を作るようになったら、帰宅した子どものお弁当箱をチェックして、キレイに空になっていたらホッとして、何か残してあったら気になって。
そんな経験から、かつて自分が少年だった時、母親を見て「女はつまらんことに一喜一憂するもんだ」と思っていたのと同じことをしていると気づいたりします。
別姓結婚では、実際の不便さを感じたり、
夫婦別姓に反対する勢力が「通称使用」なら許容すると言い出したのを聞いて、
ペーパー離婚に踏み切ったりしています。
そして、DV被害者支援では、自分もDV加害者と同じことをしてると気づきます。
やっぱ、この本は、日本のすべての男性に読んでほしい本です。
そして、男性とともに生きる気があるなら、女性も読んでおいた方が良い本だと思いました。
もっと詳しい内容は、またの機会に紹介したいと思います。