とても評判になった本の続編です。
前作がおもしろかったので続編が出版されたと聞いて読んでみました。
ライターでコラムニストのブレイディみかこさんと息子さんとのやりとりから話が展開していくエッセイです。
日常生活の中で息子さんがふと発する疑問やつぶやきを、母であるブレイディみかこさんが丁寧にひろって受け答えしていく様がいい感じなのです。
みかこさんが日本人で配偶者がアイルランド人で住んでるところが英国ということで、日本人で日本に住んでいるワタシなどからすると日常がドラマチック。
日常の出来事をひろっているだけで気づきが多くて読んでいておもしろいです。
その上、この息子さんが良い視点を与えてくれるので毎回おもしろいお話しが綴られています。
「ヒジャブって、そんなにいけないものなの?」
「『俺のようになるな』って、そういうことを子どもに言わなくちゃいけない父ちゃんの気持ちを考えると、なんか涙が出てきちゃって・・・」
「でも、僕はイスラエル人をぶっ殺してやりたい、って言うんだよね」
「クー・クラックス・クランが、図書館やホームレスの人たちのシェルターと何の関係があるんだろうね」
生活の舞台が日本と比べると多様性があるというか、生きてる世界が違うように感じます。
それに、息子さんが成長してきて大人に近づいてきたということもあるのでしょうね。
5年くらい前は「なんかこういうことを言ってはいけないのかもしれないけど・・・、どうして日本はこんなにお年寄りが多いの?」なんて素朴な疑問をつぶやいていたのですから、成長ぶりがうかがえます。
本の帯には「ついに完結。」とありました。
この続編は前作に比べて「子どもの視点」が減ったという辛口の口コミを目にしました。
息子さんも成長するに従って親に話さないことが多くなってくるのでしょうから、仕方ないことですよね。
完結・・・ちょっと残念、さびしいです。