「私にとって恋愛とは、最近になってから発見した、自分の心に建つ家の隠し部屋みたいなものだった。その部屋は二階の奥にあり、壁だと思っていた部分が実は戸で、押すと開く。中には入れたけど、暗くて見えないから、手探りで照明のスイッチを押す。壁に手をすべらせて、探して、探して、見つからなくて。」
『オーラの発表会 (集英社文芸単行本)より抜粋』
小説『オーラの発表会 (集英社文芸単行本)』の主人公が恋愛を説明するセリフです。
主人公は大学一年生の海松子(ミルコ) 。
海松子はいわゆる「不思議ちゃん」ですね。しゃべり方からして普通じゃない。
これ、映像で見たいですね。誰が海松子を演じるのか想像すると楽しいです。
この雰囲気をちゃんと演じる俳優を探してほしいな。
大学入学とともに一人暮らしを親から勧められる主人公。
進学先が家の最寄り駅から4駅、急行だったら1駅の近さなのにおかしいでしょ。
しかも、マンションの手配はすべて親がおぜん立てしているって普通じゃないでしょ。
読み始めは海松子のキャラがイマイチつかめなかったのですが、途中からはまりました。
「人を好きになる気持ちがわからない」
う~む、不器用?
なんか、サラってしている感じで、しかし、読後には確実に残るものがあるって感じです。
綿矢りさってこんな感じなのでしたっけ?
金原ひとみと芥川賞をダブル受賞した印象は強烈に残っています。
『蹴りたい背中 (河出文庫)』を読んで以来、読んでなかったからなぁ。
デビュー20周年だそうです。