「コミュ力不足」を自認する著者・辛酸なめ子さんが今回はどんなことをやらかしてくれたのかな、って感じの興味で手にとりました。
人間関係の技術を真剣に学びたい人が、コミュニケーション力を身につけられると思って読んでみると期待を裏切られます。
この本には著者の「コミュニケーションの体験や気付き」が書いてあります。ご本人も「少し難易度が高い」と言っているくらいですから期待は禁物です。
ラジオかなんかでこの人の語りを聞いたことのある人ならご存知でしょうが、あの感じがそのまま文章になっています。
人づきあいが得意とは思えない著者がいろんなところに出かけていって見たものを語るのですが、それがクスって笑わせる。
人づきあいが苦手な割にいろんなところに顔を出しているんです。
「日本あいづち協会」のセミナーだったり、体験ヨガ教室だったり、選挙カーや選挙事務所だったり。
他にも、同窓会、女子会、花見、セレブパーティなどなど。
「飲み会を途中で帰りたいときの言い訳テク」などを読んでいると、「それ、ワタシもやってる」というのが出てきて親近感です。
というか、ワタシもなめ子さんに劣らずコミュ力不足か付き合い下手なのか?
わかりますか? 「仕事の電話がかってきたフリをして外に出るとか、少しずつ荷物やコートを入口付近に移動させてトイレに行く体でサッと出るとか」
あなたがこんなことを既にやってる人だったら、「そうそう、わかる~」っていう感じで読めるかもしれません。
そんなことは考えたこともないような人だったら、「そんな人もいるんだ~」と新鮮な発見があるかもですよ。