モヤモヤを抱えて今日も生きる。

とかくこの世は生きにくい。日々モヤモヤを抱えて生きています。モヤモヤジャンルは本・子育て・教育・映画・ニュース・社会などです。あなたに響けば幸いです。

みんな大人になる-ボクの場合④

ボクは父に叱られたことがない。

 

接触がなければ当然叱られるという場面もないわけだが、

 

決してそういうわけではない。

 

むしろ、身の回りの世話をしてもらうことが多かったように思う。

 

休みの日にはボクを連れて親戚の家に遊びに連れてってくれた。

 

職場にボクを連れて行ってくれたことも一度や二度ではない。

 

父の仕事仲間とも顔見知りになって、ずいぶんとかわいがってもらった。

 

シャツが出てしまうと、父がしゃがみ込んで、

 

ボクのズボンを引っ張り上げて、シャツをしまってくれた。

 

コーヒーが好きで、豆を自分で挽いて淹れていた。

 

サイホンでコーヒーを入れる様を初めて見たときはびっくりした。

 

水が入ったフラスコみたいなやつに、アルコールランプの炎を当てると、

 

温められた水が、お湯がサーっと吸い上げられていく。

 

初めて見たときの驚きは今でも忘れられない。

 

不思議で不思議で、何度もねだって見せてもらった。

 

そんなボクの様子を父はどんな気持ちで見ていたのだろうか。

 

父は叱ることをしなかったばかりか、

 

なんにも教育的なことをしてもらった記憶がない。

 

勉強を教えてもらった記憶もないし、

 

何かの価値観を伝えられたこともない。

 

ただ、ただボクが一緒にいることを喜んでいてくれたように思う。

 

ボクはそんな父のそばにいるのが心地よかった。

 

自分が親になって思うことだが、

 

どうしても、親というものは親らしいことがしたくなってしまうものだ。

 

子どもに何かを教え諭すということがやってみたくなる。

 

それが親だと思い込んでいるのかもしれない。

 

その点、父は立派な人間だったといえるのかもしれない。

 

はたまた、ただの凡人だったのか。

 

生きているうちに、聞いてみればよかった・・・

 

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