「やさしくしなさい」と親が教えたからといって、やさしくなれるというものではない。
人はやさしくしてもらったという経験がたくさんあれば、それだけ人にやさしくなれるものだと思います。
ネットニュースの記事を読んでそんなことを思いました。
30年前のKさんの話です。Kさんが、家族と出かけた旅行先ではぐれてしまって、違う電車に乗ってしまったときのエピソード。
焦りと不安で大変なことになってしまったとき、見知らぬ人が声を掛けて助けてくれたそうです。
名前も告げずに去ってしまった女性に今も感謝の気持ちていっぱいだというお話です。
この女性がこんなふうに語っています。
「名前も分からず直接恩返しはできないのですが、出会う人すべてをあの時のあなたと思って、親切を返すように心がけています。」
わかりますね、この気持ち。
ワタシも小学生の時に同じような経験をしました。
いとこ家族と一緒に旅行に出かける時、駅でワタシとそのいとこだけが反対方面行の電車に乗ってしまったのです。
「電車が来てるから急いで!」という親の声に急かされて、いとこと一直線、
一緒に走って電車に飛び乗り、後から来るはずの家族を電車の窓から見ていた時、
その視線を遮るように目の前に滑り込む別の電車・・・
そうです、その電車こそがワタシたちが乗るはずの反対方面行の電車だったのです。
その瞬間、ワタシといとこを乗せた電車のドアが閉まり電車は静かに走り出しました。
ガ~ン、このときの心細さは今でもよく覚えています。
あの時、親切にしてくださった隣の駅の駅員さんありがとう。
そうです、困ったときには誰かが助けてくれる。
子どものときのこの経験は、幼い子どもの脳にくっきりと深く刻まれます。
ワタシも人に親切に接したいと思います。
こう思うのは、幼いときのこんな経験が影響しているのかもしれません。