かつては賑やかだった街も、だんだんさびれていく時代です。
それでも、行政も一緒に街全体を盛り上げようと努力している感じで、
駐車場が整備されていたり、街のあちこちが訪れた人の目をちょっと引く、
そんな街のような一つと思えるところに行ってきました。
昔からあるような造り酒屋をのぞいたり、古い建物の甘味処であんみつを食べたり・・・
そんなところのひとつに、古書店がありました。
古民家を改造した店構えが魅力的だったので、ちょっと中をのぞいてみました。
引き戸を開けると、真ん中に島のように本が陳列してあって、
その周りをぐるっと囲むように壁面は書棚になっていました。
店内は客が5人も入るといっぱいになってしまうような広さというか狭さです。
でも、その狭さが絶妙にちょうど良い感じです。
置いてある本すべて一冊一冊の背表紙を確認できるちょうど良さなのです。
そして、なんとも居心地よく感じたのは、ウチにある本をココで何冊も見つけたから。
まるで自分の書斎にでもいるかのような心地良さだったのです。
ふだんは気後れしてしまうのですが、このときは話しかけちゃいました。
「ここはいつからですか?」
「置く本はどんな基準ですか?」
「ずっとこのお仕事をされているのですか?」
いい話がいっぱい聞けました。
その中で印象的だったのは、古書の仕入れの方法や値段の付け方でした。
「街から古本屋がなくなってしまったら寂しいじゃないですか」
「古本屋の役割は、後に残したい本と処分する本を分けることだと思います」
「本を一円で売るのは、作った人にも買うお客さんにも失礼だと思うんです」
古本屋さんをめぐっていた学生時代を思い出しました。
古本屋さんが街から一軒もなくなってしまったら寂しい、ホントにそうだな。
2冊買って帰りました。また来ます。