人はみんなそれぞれが自分の中で思い、考え、願っている。
そして、そのやり方は人それぞれで、他の人と全く同じということはありえない。
だから、人と人とはすれ違ってしまうことがしばしばで、分かり合えないことも多い。
これは、他人との関係の中で起こることとは限りません。
お互いのことを大事に思っている家族や肉親の関係においても免れることができない。
『世界を超えて私はあなたに会いに行く』を読んで、そんなことを思いました。
これが本を読むことを通してワタシが子どもに味わってもらいたいことなんです。
どんなにその人のことを思っていても、それだからこそかもしれません、
心配のあまりに言い過ぎてしまったり、傷つけてしまうなんてことが結構あります。
これが親しい関係であればあるほど深刻な事態に発展することもしばしばです。
こういう状態になるときついです。
「どうして、こうなっちゃうんだろう」と、頭を抱え込んでしまいます。
こうなることは自分の本意ではないと思うから尚更落ち込みます。
ネタバレになってしまうので、この本の話は控えめにしようと思いますが、
こんなところは、身につまされます。
「僕の愚かな考えがきみを苦しめていることに気付いた時、きみはもう僕の手を離れて成長していた。きみと僕は、きみが成長した時間の分だけ、遠く離れていたよ。」
う~む、ホントにきついなぁ。
良かれと思って下した判断が、そうせざるを得なかったのに、それが最愛の人を傷つけることがある。
気が付いたときには、もう後戻りはできず、思いとは裏腹に最愛の人を遠ざけてしまう。
人生にはこういうことがあるんだ、と知ってほしい。
自分の身に起こらなくても、誰かの身に起こっているんだということも。
自分の身に起こらなかったのはただの偶然で、単なるラッキーだったからかもしれない。
実際に自分の身に起こったら辛すぎることも、小説での疑似体験だったら、糧になります。
子どもには、本を通して、いろんな疑似体験をして豊かに育ってほしいと願うのです。