『ちびっこちびおに (日本の絵本)』という絵本があります。
ひがら山というところに、お母さんと2人で暮らしている「ちびおに」が、
「ね、おかあちゃん。 ぼく、にんげんの まちに いってみたいよ。」と。
お母さん鬼は応えます、「だめ、だめ。つかまってしまうから。」と。
でも、「ちびおに」があんまりせがむので、
上着を着せ、長靴を履かせ、手袋をはめ、帽子をかぶせて、こう言います。
「いいかい、いちどっきりだよ。どんな ことが あっても、これを ぬいでは だめよ。もし、ちびおにだなんて わかったら、ひどいめに あうんだあからね。」
ふもとの幼稚園にたどり着いた「ちびおに」ですが、さぁ、どうなったと思います。
いろいろあったのですが、結局、鬼の子だってわかってしまっても、
こどもたちは、「じゃあ、あそぼう。」「じゃあ、あそぼう。」と、
一緒に楽しく遊びました。
こどもって、そんなもんなんですよね。
先入観で、あれこれ心配してしまうのは大人なんですよね。
そして、心配のあまり、こどもにいろいろと吹き込んでしまう。
まぁ、親心なんでしょうが・・・。
物騒なところもある世の中ですから、「人は信じられる」なんて無邪気に考えられないかもしれませんが。
それでも、こどもには「人は信じられる」というメッセージを送りたいです。
大人の本当にやらなくてはならないことは、こどもたちが安心して暮らせる社会を創ること、これに尽きると思います。
これが、きれいごと、と響いてしまうとしたら・・・
まだまだ、やることがあるってことですね。