「おには~、そと!」 「ふくは~、うち!」
なんてね、無邪気に素直にやれなくなっちゃいました、最近は。
オニって何? オニってみんなに嫌われてるけど、どうしてなの?
考えれば考えるほど、意味わかんなくなる。
桃太郎にしても、なんで鬼退治に鬼ヶ島へ行ったの?
鬼に何かされたわけ?
考え方によっては、桃太郎の方が侵略者ってことにもなりそうですよね。
『おにたのぼうし (おはなし名作絵本 2)』を読み直したら、そういう気持ちがさらに強くなりました。
この絵本は小学校の教科書にも載ってるようですが、とても難しいです。
どうやって解釈してよいのか、大人にとっても理解が容易ではありません。
「にんげんって おかしいな。 おには わるいって、 きめているんだから。
おににも、 いろいろ あるのにな。 にんげんも、 いろいろ いるみたいに。」
くろおにの こども おにた が心の中で思うことです。
おにたは、まこと君の家の物置小屋に住んでいましたが、
まこと君のなくしたビー玉を拾ってやったり、にわか雨のときに干し物を取り込んだり、お父さんの靴をピカピカに磨いておいたりしました。
とても気のいい鬼でした。
でも、「おには~、そと」と、豆を投げつけられて、物置小屋を出ていきます。
そして、雪の中を歩いてたどり着いたのが、小さな女の子と病気で寝ているお母さんの住む家でした。
ここでも、おにたは、何も食べていない二人のためにご馳走を用意します。
それなのに、それなのに、結末はちょっと複雑です。
絵本なのに、結末が・・・、どう考えたらよいのか、よくわかりません。
子どもはどんなふうに解釈するのでしょう。
大人が解釈を押し付けるようなことをしない方がいいでしょう。
モヤモヤを抱えるかもしれませんが、それも大事なことだと思うのです。