子どもが大人になるって、簡単なことじゃないんだ。
青木さやかさんの著書『母 (単行本)』を読みながら、改めて思いました。
青木さんはタレントだからテレビなどで見て、ワタシも知っています。
そんな彼女が、親との確執を抱えてずっと生きてきたことが書かれていて、よかったです。
誰でも、「一生に一冊は小説が書ける」といいます――自分の人生を書けばいいのだから。
まさに、そんな感じです。
あの青木さやかさんにもこんな悩みがあって、こんな苦労をしていたのかって知るだけでも興味深いです。
特にお母さんに対して嫌悪感を持っていて、それにずっと苦しんでいるところがあり、これがただのタレント本とはちょっと違うかな、という印象です。
「母は、わたしに物事の評価を植え付けた。大学を出ていないから、可哀想。離婚しているから、ざんねん。雨だから、気分が悪い。わたしは、そういうものだと思い込んだ。当たり前のように大学に行かねばならない、と思った。そうでないと、可哀想な人、と世間から評価されてしまう。離婚なんてもってのほかだろう。」
さやかさんには、これが重くのしかかっていたのでしょうね。
後になって、さやかさんが出産し、お母さんが孫と対面するシーンで、さやかさんはこんなふうに思います。
「私の大事なものに触らないで」
「あなたには抱く資格などない。あなたはわたしに何をしてきたのか。あなたが幸せでいるところを、わたしはみたくなどない。あなたはわたしと違う世界で勝手に生きてくれたらいい。(略)わたしは、あなたがいましているような無償の愛のような眼差しを向けられたことがない。いつも窮屈で、評価され、いい子でいなくてはならなかった、あなたのために。」
親の影響って子どもの中に深く入り込んで、後になって人生の大事な局面でむっくと頭をもたげてくる感じ。
親になるって、責任重いどころか、怖ろしいことなのですね。