寺地はるなの小説を初めて読みました。「声の在りか」です。
どこにでもありそうな等身大の物語り。まるで知り合いのママ友のブログを読んでるんじゃないかって錯覚しそう。
希和はさして大きくもない地方都市で生まれ育ち、自宅から通える短大を卒業して保育士になった。
その後結婚して、今はパートの仕事をしながら小学4年の息子を加えて3人で暮らしている。
ただ、友達のブログと違うのは、主人公の希和の心の内が知れることかな。みんな他人には見せないようにしていますからね。
希和は思ったことがうまく言葉に表せない。ママ友のグループに違和感を抱きつつも、はっきり気持ちを伝えることができない。
息子の気持ちもわかりかねるし、夫との意思疎通もうまくいかない。
読んでいると、どこにでもある話と感じるところが多い。ときに自分と重なることも。
そんな希和がどうなっていくのか? 何が起こるのか? 何も起こらないのか?
希和の小さな変化(成長?)がリアルに背中を押してくれるかんじ。