岸見一郎著「哲学人生問答」を読みました。
この本は岸見氏が出身高校で行った特別授業を再構成したものです。
その講演の中で、いきなり冒頭のようなことを言われては学校の先生も度肝を抜かれてしまうでしょう。
まぁ、岸見さんを講師に呼ぶのですからそのくらいのことは織り込み済みですよね。
でも世間では子どもに聞かせたくない話かもしれません。
現に「(親から)なぜ勉強するかというような話を、受験を前にした子どもたちにしないでほしいといわれることがあります」とおっしゃっています。
岸見氏のお話は哲学と人間関係の2本柱です。
「哲学というのは親や教師、大人がいうことが本当なのかと疑うこと、さらには、疑うことから始めて、いろいろなことを知ろうとすることです。」
「人と関わったら摩擦が起きないはずはありません。だから傷つくことを恐れて、人と関わらないでおこうとする人もいます。でも、生きる喜びも対人関係の中でしか得ることはできません。」
この2つのことを、生徒さんたちからの質問に答える形でお話が進んでいきます。
ワタシが特に注目した質問と答えは次の3つでした。
問13 「ありのままの自分」を受け入れることができません。
問16 ありのままの自分を認めてくれる大人と、どうすれば出会えますか。
問34 個人に対するまわりの評価は不要なものなのでしょうか。
問13への回答は、人間には「すべきこと」「したいこと」「できること」の3つしかありません。できることは「できること」だけです。(一部抜粋)
問16への回答は、そういう人を探すには、まず自分が特別でなくてもこの自分でいいと少しでも思えなければなりません。(一部抜粋)
そして問34への回答は、・・・
岸見節炸裂です。とっても面白い本なのでご自分で確かめてみてください。