モヤモヤを抱えて今日も生きる。

とかくこの世は生きにくい。日々モヤモヤを抱えて生きています。モヤモヤジャンルは本・子育て・教育・映画・ニュース・社会などです。あなたに響けば幸いです。

この道行くと勝っても負けても不幸だよ。

マイケル・サンデル著「実力も運のうち 能力は正義か?」を読みました。

 

今の日本の社会は、がんばれば報われる社会ですよね。

 

成功している人は一生懸命がんばった人だから、巨額の報酬を受け取って当然なのですよね。

 

だから、プロ野球選手の年俸の話題なんかも子どもの前でも堂々と話しています。

 

ワタシなどはえげつないなぁと感じるのですが、こういう人は少数派みたいです。

 

こどもにも「だからあなたもがんばりなさい」と背中を思いっきり押すのですよね。

 

こういう社会は能力主義というらしいですね。人種や性別や出自によらず、能力の高いものが成功する社会です。

 

でもね、この考えに「ちょっと待て」をいっているのが、この本を書いたマイケル・サンデル氏です。

 

著者の言うように、「能力主義の信念は傷に塩を塗る。自分の運命は自分の手の中にあるとか『やればできる』という考え方は諸刃の剣であり、人を元気づける面と不愉快にさせる面がある。こうした考え方は勝者を称える一方で敗者を傷つける。」

 

能力主義は本当に良いのでしょうか? 実はこの能力主義は、勝者にもダメージを与えているみたいです。

 

それは、「頂点に登り詰める人の場合、不安をかき立て疲れ切ってしまうほどの完璧主義に導き、脆い自己評価を能力主義的なおごりによってどうにかごまかすよう仕向ける。置き去りにされた人には、自信を失わせ、屈辱さえ感じさせるほどの敗北感を植え付ける」という具合に。

 

誰にとってもいいことなんてないようです。アメリカの内実を知ると恐ろしくなります。日本も同じ道を行くことになるのかな?

 

今の日本の過干渉な子育てを見るにつけて、この能力主義競争にこどもを巻き込んでいいのだろうか?と不安になります。